大好きな主上(十二国記における王に対する呼び名です)の本たちです。
量が多めなので、他のシリーズ・本は別ページにしました。
十二国記シリーズ | ||
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月の影 影の海 上・下 | 風の海 迷宮の岸 上・下 | 東の海神 西の滄海 |
風の万里 黎明の空 上・下 | 図南の翼 | 黄昏の岸 暁の天 上・下 |
華胥の幽夢 | 魔性の子 |
悪霊シリーズ | ||
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悪霊がいっぱい!? | 悪霊がホントにいっぱい! | 悪霊がいっぱいで眠れない |
悪霊はひとりぼっち | 悪霊になりたくない! | 悪霊と呼ばないで |
悪霊だってヘイキ! 上・下 | 悪夢の棲む家 上・下(ゴースト・ハント) |
その他 | ||
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緑の我が家 Home,Green Home | くらのかみ | 東亰異聞 |
過ぎる十七の春 | ゲームマシンはデイジーデイジーの歌をうたうか | |
屍鬼 上・下 | 黒祠の島 |
十二国記シリーズ
初めて十二国記に出会ったのは2005年12月。
どれが1巻目なのか良く分からなかったのと、ティーンズコーナーにあったのとで(当時は抵抗があったのです)
最初はとっつきにくかったのですが、見事にはまってしまい、読み終わったあとも十二国記のことが忘れられませんでした。
今のところ全部で11冊、タイトル名だと7つあります(上下巻のものが多いのです)。
講談社X文庫のホワイトハート(WH)版と、普通の講談社文庫版があり、
前者は挿絵あり・ティーンズ向け・主上のあとがきあり、で後者は
挿絵なし・あとがきなし・若干漢字多目、なんだそうです。
ちなみに新潮文庫の「魔性の子」は、独立した作品なものの、十二国記にの世界にかかわっている、外伝的作品です。
こちらは、こちらの世界しか出てこない、ホラー風の仕上がりなので、ファンタジーはちょっと、という人にもおすすめできます。
私の感想がダメダメですが…とにかくお気に入りです!
しかし、未だ完結していないにもかかわらず、何年も新刊が出ていません。読むと絶対「新刊マダー」の一言が出ますよ(苦笑)
「やっと見つけた…」突然陽子の通う学校に現れた謎の金髪の男。
陽子は日本でも、他の国でもない、地図上に存在しない国に連れ去られ、さらに「ケイキ」と名乗った男は消えてしまった。
陽子を襲う異形の妖魔。斬っても斬っても現れる敵。
「痛みなら、一瞬で済むのになァ」。裏切られ、裏切られ、あまりの辛さに死の誘惑さえもが魅力に感じる極限の時。陽子はどうなってしまうのか―!
主人公の陽子が「ケイキ」という人に異世界に連れ去られてしまいます。
しかも、当のケイキはいつの間にやらいなくなっているではありませんか!
陽子はケイキを探し出して元の世界に戻してもらおうとしますが、裏切られ裏切られ……
本当にかわいそうです。上巻は裏切られっぱなしで、読みたくなくなったくらいですが、下巻に入るとやっと報われてきます。
上記が初回読了時の感想です。この巻の景麒が一番(二番目かも?)無愛想・冷たい・ダメダメです(苦笑)
とにかく、上巻を読んだら下巻を読んでくださいね!
きっと報われますから。
日本生まれの日本育ちの高里 要。祖母に叱られ雪の振る中、中庭に放り出された彼は、物置の隙間から女の手が伸びている事に気づく。
その手を追うと、そこは別世界。いきなり「あなたは泰国の麒麟、泰麒です」と告げられ、王を選ぶために女怪や女仙が付く暮らしが始まった。
しかし彼は麒麟に転変する術も知らず、自分のしもべとなるはずの妖魔の折伏も出来なかった。幼い彼の運命は。
麒麟とか神獣とかが大好きな方は「月の影 影の海」の前にこちらから入ってもいいかも知れません。 シリーズの中でも一番軽い(主観)ですし。
何度読んでも飽きません。泰麒の健気さとか、大好きな李斎と飛燕も出てきます。
この話の後、悲しいことが頻発することが分かっているだけになんとも複雑な気分になりますね…。
景麒もこの時だけは(失礼!)優しいです。
ただねぇ…やっぱり最後のシーンは延主従をお迎えする必要はなかったのじゃないかと、疑問に思います。
普通に景麒が言ってあげればよかったのでは?
十二国記のいいところは、何百年たっても時代の進化のようなものがない所かもしれないです。
常世(地球)だと、今と五百年前とでは大違いですから。(”宮廷女官チャングムの誓い”を見ていると余計そう思えます・笑)
陽子も泰麒もそれぞれ1990年代前半に出版された話ですから、携帯電話やらインターネットやらの下手をすれば五百年前から見るとSF並に違うであろうしがらみなどもありませんしね。
ついでに言わせていただくと、私、驍宗様が好きではありません。
いわゆる「瓢風の王」だし、それはまあいいとしてもですよ、あの自信満々さが…ねぇ…あの「五百年あれば延には引けを取りませぬ」発言。
しかもやることに間違いがないタイプですからね。嫌いとは言いませんが、あんまり近くに寄りたくないかも…
延王、小松尚隆と延麒、六太が出会った時と、雁国登極から約20年後の話。
あらすじが酷いです^^;許してください。詳しく知りたい方は各自検索することをお勧めいたします。
「尚隆」は日本にいた時は「なおたか」で、その後は「しょうりゅう」なんですね。
延麒が初めて尚隆に会ったのは500年以上も昔の話なのでどれ程のものだろうかと思っていたら、意外と普通の漁師町風でした。
さすがに500年も国が保たれているだけあって、王になったきっかけもきちんとありました。
国がほしいか?ならば、一国をお前にやる
六太のこの一言がいろんな意味でたまりません。
いかんせん読んだのが一回だけなので、記録してある感想も簡素で内容もうろ覚えに近いので…そのうち読み直したいです。
慶(けい)国の王となった陽子は、自分の王としての自身を失っていた。
芳(ほう)国では、王と王妃である両親が臣下に討たれ、里家に放り出された祥瓊(しょうけい)がいた。
才(さい)国には、蓬莱(ほうらい・日本)で親に売られて以来、仙のもとで苦業を強いられている鈴がいた。
悲嘆にくれる3人は、とあるきっかけで出会うことになり―
陽子が登極してかあら2年ほどたってからの話です。
初めて読んだ時は主人公の3人以外の人がものすごい悪役に見えたものですが、
再読した時はそうではないことに気づいて愕然としました。
当時の「感想ノート」を読むとそれがよく分かります。
「祥瓊(しょうけい)は全く悪くなかったのでは?」とか書いてありますので。
今は珠晶(しゅしょう)、月渓(げっけい)、清秀、楽俊、采王・黄姑(こうこ)などの
人々の言葉が身に染みて痛いくらいです。…それを生かせない自分って…
ただ、3人それぞれの話が短めに区切られて混ざっているので、気持ちの切り替えが大変だったかも。
短所を言うとしたら、それだけです。
恭国は、先王が斃れてから27年が経過し、妖魔が出没し、治安も悪い、最悪の状態だった。
12歳の珠晶(しゅしょう)は、金持ちの父親を持ち、食べ物にも教育にも困っていなかった。が、しかし、
国が荒んでいく状況に憂え、「私が王になり、この国を統べる!」と蓬山を目指す!
すごいぞ主上、すごいぞ珠晶。
この感想を書いているのは、初読ではないので「犬狼真君はあの人だったのね」とか、
そういう驚きは無かったものの、珠晶の行動力にさらに感動しました。
「卑下も自慢のうち」なんていう諺がありますが、「いやあ、自分は王の器じゃないから」と言ってばかりいるのもたまには逆のこともあるんだなと。
時には自分が行動してから文句を言うべきな場面もあるのですねぇ。
でも本当に昇山する勇気があるのは、珠晶くらいのものでしょう。
初めて読んだ時は、珠晶が(私にとって)良い人には見えませんでした。
我侭で傲慢な少女で、たまたま恭国に王がいなくて、自分のポリシーを持ちえた子だったから、
王になったのだと思いました。
違うんですよね。逆なんです。
慶国、金波宮の禁門に突然、李斎と名乗る女将軍が現れた。彼女は全身ボロボロだったため、怪しまれたが、景王が許しを与え、面会する。
戴国では、泰王驍宗の行方が分からず、泰麒蒿里も鳴蝕を起こして行方不明だという。李斎は戴国から慶国に助けを求めに来たのだった―
あろうことか「風の海 迷宮の岸」すらも読まずに読みました。なので初回読了時は分からないことだらけでした。
まさかあの人が謀反を…なんて酷い。
李斎と泰麒が最後にどうなったのか…新刊が出ないので分かりません。読んだら気になって気になって苦痛にさえ感じます。
でも無理に書いてほしくはないですので…あまり無闇に催促もできませんが…
『冬栄』泰麒が「自分は王の補佐をするどころか、迷惑になっているのではないか」と悩み、泰王は息抜きにと漣国行きを命じる。
『乗月』峯王仲韃の暴虐を止めるため、弑するしかなかった月渓と、その月渓に親を殺された祥瓊の心境。
『書簡』大学に入ることの出来た楽俊と、王になって間もない陽子とのやりとり。
『華胥』才国の宝重、華胥華朶(かしょかだ)は、理想の国を見られるという。失道した采麟にそれを渡すが―
『帰山』奏国宗王の息子、利広が各国を旅する。治世六百年の悩み。
新旧混ざった短編5話です。
星が三つなのは読む順序を間違えた(図書館においてなかった関係で)せいです^^;
再読した時は、もちろん五つ星です。
『冬栄』を読んで戴国のつかの間の幸せを噛み締め、『乗月』を読んで改めて月渓に思いをはせ、と引き込まれていきますね。
特に『冬栄』は、この後どんな不運が待ち受けているかを考えると辛いものがあります。
『乗月』月渓は…王を弑したというと聞こえが悪いですが、好きでやったのではない訳です。葛藤があって、でも仕方が無くて。
祥瓊も初めは月渓のことを嫌い、突っぱねていた(親を殺されたのですから、当たり前ですよね)のを、楽俊に拾われ、陽子に出会ってから考えが変わってきます。
それにしてもどちらも偉いですね。自分には到底無理です。月渓を一生憎みますね、きっと。
『帰山』も、なんというか…趣があります。現在十二国記の治世において二番目に長い歴史(なんか言い方変ですかね?)を誇るそうですが、
だから永遠に安泰なわけでもなく、長いのも長いなりに苦労や問題や心持があるのです。
長いのは、前例がない。前例がないのは、あとどれだけ持つかわからない。なまじ他国の朽ち方を知っているだけに自分達がそうなってしまうのも恐ろしい。
利広は旅の途中で雁国のとある人物に会いますが、やはり百年先がある雁と、百年先である奏とでは心境も違ってくるのでしょうね。
碁石の話は面白かったなぁ。ドキッとします。主上はこういうの、上手いですよね〜。
母校に教育実習をしに戻ってきた広瀬。なんの変哲もないはずのクラスに一人だけ目立つ生徒が。
その彼の名は高里。彼は昔「神隠し」に遭っていて、そのせいで祟るのだ、という噂があった。
クラス内で孤立する高里を広瀬は彼と同じ同胞としてかばうが、次々と悲惨な事故が起こり始める。
それは高里のせいなのか。なぜそんなことが起きるのか。高里の、広瀬の本当の居場所は。
「十二国記」と繋がっていますが、知っていても知らなくても楽しめる作品だと思います。
知っている方は泰麒のことが良く分かり、知らない方はホラーとして…
でも、知らないで読むと???の連続でしょうし、ラストがしっくりこない(そういう話で片付けてしまうのか、と思うはず)と思われますので、
(ホラーが好きな方、ファンタジーが苦手な方、楽しみたい方は「魔性の子」を先に一度読んでから)→「十二国記」→「魔性の子」の順で読むのをお薦めします。
現代(出版されたのは1990年代ですが)の日本が舞台です。
私はこの本のおかげで「自分は特別ではないこと」と「この世界が自分の世界」
ということに気がつきました。
え〜っと、読めば分かります(笑)
いつもは図書館で借りる自分。でもこの本は自分で買いました。図書館に無かったからです。
今は、あの時買っておいてよかったと思います。今の年齢、即ち思春期にあたる時に読めてよかったなあと。
この本に出会っていたおかげで、色々なことを知りました。…まだ生かしきれていませんけど…
あらすじだけを読むとかなりホラーな雰囲気ですが、実際に読むとそれだけでは
ありません。人物の描写が本当に巧みなんです。
故国を失い(自分の意思ではないけれど)恐怖政治を行う高里。それを恐れるクラスメイト達。
次々と起こる「祟り」にクラスメイトは爆発する。止められるのは広瀬か、高里自身なのか。
広瀬さんは幼いころ臨死体験をしたせいでそこが「故国」だと思っていて、
そこに高里という「故国喪失者」に出会えて肩入れ(?)していたわけですが、
最後の方で「広瀬と高里は違う」と後藤先生に諭されてそれは自分のエゴだと気づきます。
その過程がリアルで、広瀬さんだけではなく、恐れられ嫌われている高里の
苦しみやクラスメイトの恐怖、共感はできないにしてもマスコミまでもが
『現実だったとしたらこの通りに行動をしただろう』という感じです。リアルです。
ハッピーエンドなお話ではないけれど、教室や準備室に入り浸る学生の様子が好きで、
雰囲気が好きでよく読み返します。
私が嫌になったときに読む、本の原点です。それは内容にかかわらず、皆さんにもありませんか?
それが私の場合、この本だったというわけです。
いわば、バイブルですね。
私もよく「自分はこの世界の人間ではないのではないか?」と思っていた
人間なので、それがエゴなんだと教えられた気がします。裏と表。一理ありますな。
人のお説教は嫌いなのに本に触発される私でした(笑)。
下の部分は、十二国記・魔性の子を読んだことがある人向けです。反転してご覧下さい。
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何度読んでも私の中では永久に五つ星の作品です。
…そのわりに周りの方の評価が低めなのは、やはり十二国記に被っているからだろうと思います。う〜ん、残念。
でも…高里くんはお気に入りの人物ですし、周りの評価が低いのではなく、自分がえこひいきしすぎなのかも。
広瀬さんはこの話の後、どうなったのでしょうね?