栗本 薫
グイン・サーガシリーズ
本編41〜の感想

栗本さんの本は、今のところグイン・サーガシリーズ専門で読んでいます。

更新するのが面倒になってしまい、現在はこちらは手付かずです。
最新の感想を読みたい方はブログの栗本薫カテゴリをご覧下さい。

本編41〜 (その他の巻はこちらから)
41.獅子の星座42.カレーヌの解逅43.エルザイムの戦い

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41.黒曜宮の陰謀

ハヤカワ文庫
読了日:2007.4.13
評価:★★★★

あらすじ

以下、あらすじも感想もネタバレを含んでいます。未読の方は注意してください。

ケイロニア皇女シルヴィアが誘拐され、不安に陥る重鎮達。 警戒態勢をとり、サイロンへの出入りを禁止したにも関わらず見つかる気配が無い。
そこへ、アキレウス大帝の弟、ダリウス大公から声明文が届く。 曰く「シルヴィアは自分とマライア皇后の子であるからして、アキレウスには世継の子が居ない。 よって次の大帝となるべきは弟の自分である。今すぐに退位し、自分を皇帝の座につけると宣言するように」―と。
ダリウスはユラニアを巻き込み、バルヴィナ城に立てこもった。
それを討伐すべく、グインはエルザイムへと向かう。
一方マリウスはグインに会うため黒曜宮へと赴くが、既にそこはもぬけの殻。 しかし諦めきれずにグインのいる戦場へと行くことに決めたのだった。

感想

面白いことに…じゃなかった。大変なことになってきましたねぇ。

ダリウス大公の悪あがきでユラニアは巻き込まれてしまいました。
ケイロニアの人々はあまり同情する気になれないみたいですが、私は何故か悲しみを覚えます(まだ滅亡していないのに^^;)。
そもそも国力が落ちたのはグインをたぶらかすためにグラチウスが仕組んだことで、ユラニアは巻き込まれただけなのに…

いくらダリウス大公をまざまざと侵入させてしまった罪があるとはいえ、それはやっぱり国力と、グインがオー・ラン将軍に怪我をさせたせいでしょう。
まあ、いずれにしろ国として段々と弱くなっているので、何がしかの理由で滅亡してしまう運命なのかも知れませんが。

今回のケイロニア―ユラニア戦役にはモンゴールとクムも介入するそうで。
グインがケイロニアを出発するときに「世捨て人」のルカが来て予言をしていきました。 どうもイシュトヴァーンに気をつけろ、という意味らしいです。
あと、これから何年もケイロニアには戻れないだろう。戻ってきたら豹頭王だと。

ああ。そしてマリウスです。
なんとタイミングの悪いことでしょう。イシュトはしばらく戦役に参加するのだから、とりあえずオクタヴィアの元に帰ってあげればいいのに。
ハゾスがオクタヴィアを探しはじめたので、今度は「グインにも会えない、トーラスに帰ったら奥さんも居ない、またケイロニアへ」なんて羽目になりそうでハラハラしています。アリに見つかったらおしまいなんですよ!


42.カレーヌの邂逅

ハヤカワ文庫
読了日:2007.4.18
評価:★★★★

あらすじ

グインはモンゴール・クムと今後のことについて話し合うべく、双方にとって中間的な位置にあるカレーヌという小さな町へと赴く。
そこでケイロニア、モンゴール、クムの今後の方針を取り決め、一段落する。
イシュトヴァーンと再開をしたグインは、自分でも思ってもみなかった行動に出たのだった。

マリウスはグインに会おうとサイロンから山越えをしてエルザイムを目指すも途中のタラムの町で危うい目に。
そこで「レイヨウ婆」の世話になり、峠越えをしようとするが―

感想

ケイロニア軍とモンゴール軍はエルザイムを攻め、陥落し次第クム軍と合流、勢いでバルヴィナを落として一気にアルセイスへと行くそうです。
そんなに上手くいくものですかね?

グインはイシュトと再開を果たしました。
イシュトはもっと不機嫌になるかと思いきや、そんなことも無くて案外ノスフェラスの頃に近い喋り方をしていたりしました。 でもグインはアリが気になったみたいで…忠告をしてもイシュトははぐらかすし、「彼は昔の彼ならず」という予言が気に掛かっているようです。
私は「イシュトが過去のことを憎みすぎて」という意味かと思っていましたがもしかしたらアリのせい(もしくは一因になっている)なのかも。
カメロン提督が戻ってこられれば良いのですけれど。

大好きなマリウスはまあゾンビーの餌食になりかけています(笑)
レイヨウ婆もレイヨウのオラもいい人(?どっちも微妙に違うかも)で「年をとったマリウスが山小屋で動物と奥さんに歌を聞かせて楽しく暮らす」図を想像してニヤニヤしていたら。
最後のあの終わり方は何ですか!?《闇の司祭》が謀った?? そうだとしたらショックです。
でもマリウスはそんなところでのたれ死ぬことはないと信じています。
一応主要の一人でしょうからね。

でもタヴィアさんも心配になって来ました。


43.エルザイムの戦い

ハヤカワ文庫
読了日:2007.5.2
評価:★★★

あらすじ

ケイロニアとモンゴール・クムは手を組み、エルザイムを攻める。
途中、グインはイシュトヴァーンにエルザイムを任せ、バルヴィナへ行く。
そこには、自らが雇った傭兵に反旗を翻され、捕虜となったダリウス大公がいた。 しかし、ダリウスは皇位よりもグインへの復讐を選んだ。
ネタバレここから→ダリウスがシルヴィアを誘拐したのはグインを逆上させ、おびき寄せるため。
ダリウスが「シルヴィアは自分の子だ」と言ったのは、兄アキレウス大帝を苦しめるため。
そして、ついにシルヴィアの居場所を教えないまま自害したのだった―。
←ここまで

感想

その前に、グラチウスが現れてマリウスを取ったぞと脅しましたが…
グインはシルヴィア大事で(マリウスは殺されはしないだろうとは言っていましたが)とりあえずほったらかし。

ユラニアもダリウスも勝てる気がしなかったからか、あまり戦らしくない? 感じの戦でした。勝ち戦とか、負け戦とか、そういった類の。
イシュトはこれからアルセイスに行くのでしょうか。
だとしたらマックス・リン公爵も可哀想に。

結局、今回はシルヴィアの行方は分からずじまいでした。

そりゃあ、良く出来すぎた兄がいたら、多少なりともひねくれますよね…


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