イギリスの児童文学作家さんです。
ジブリで映画化された「ハウルの動く城」の原作者として有名です。
図書館で偶然「魔女と暮らせば」に出会ってからというもの、かなりの冊数を読みました。
中でもクレストマンシーシリーズがお気に入りです。
それに、しばしば表紙・挿絵を描いている佐竹 美保さんの絵が最高です!
この文章を書いていたら、また読みたくなってきました*^^*
ハウルの動く城シリーズ
「魔法使いハウルと火の悪魔」「アブダラと空飛ぶ絨毯」の2冊です。
魔法が存在して当たり前な世界の国、インガリー。その国で帽子屋の長女として生まれたソフィー・ハッターは、いいことがないのは長女だからだと思い込んでいました。
ソフィーが18歳の時に父親が死に、「長女だから仕方ない」と家業の帽子作りを始めたある日のこと。
忌み嫌われている「荒地の魔女」がやって来るなり、いきなりおばあさんにされてしまいます。
ソフィーは「このままじゃ皆に顔を見せられない」と、勝手に家を飛び出し、勝手に魔法使いハウルの元に押しかけます。
そこで掃除婦として(?)働くうちにハウルが周りの評判ほど悪い人では無いことが分かってきますが、ハウルには火の悪魔と交わした重大な契約があったのです―
あらすじは他のサイト様から読み取っていただけたほうが嬉しいです^^; 結構複雑なんですよ…
ジブリの映画と設定がかなり違います(私は原作が好き)。
そもそも主旨が違っていると思います。原作には戦争、ないですし。
なので、映画だけご覧になった方も読んでみると新しい発見などがあるはずです。
D・W・ジョーンズさんの本には特徴というか、癖のようなものがあるので、ペースに慣れるのに少々時間がかかるかも知れませんね。
上手く表現できませんが、「全ての物事が上手くいかず、収拾しようにも裏目に出て、ああもうダメだという瞬間に上手く行き出す」というような。
しかも、一度読み通しただけでは何が何だか…で(私だけでしょうか?)、噛み砕いていくうちになるほど、と。
ただですね、何度読んでも把握しきれないのが、ソフィーが呪いを掛けられた理由です。(以下””内はネタバレです。反転してお読みください)
原作の解説を探してみると、ソフィーが” ”らしいのですが、
犬人間がちょっと違うことを言っているんですよね。ネットで上の理由を知るまでの私の解釈は”
”というものだったのです。
ま、理由は何であれ、面白さに変わりはありません。児童書とはいえ、大人でも楽しめるファンタジーですよ^^
クレストマンシーシリーズ
現在日本では、外伝1冊を含め、全部で5冊出ています。
一番初めに「魔女集会通り26番地」が出版されましたが、これは「魔女と暮らせば」として、改題・改訳出版されています。
そのため「魔女集会通り26番地」は現在絶版です。内容の筋としては同じですが、読みたい方は図書館に行けばあるかも知れません。
クレストマンシーとは、個人名では無く、最高位の魔法使いの称号です。
悪い魔法が蔓延したり、それで困ったりしないように監視する役目で、困った人は「クレストマンシー!」と言えば、いつでも飛んできてくれるのです。
「魔女と暮らせば」は、グウェンドリンとキャットの姉弟が親を亡くし、クレストマンシーの元に引き取られることから物語が始まります。
姉のグウェンドリンに魔法使いの才能があり、自らを売り込んだのですが、いろいろと不可思議なことが起こり、驚きの事実が明らかにされます。
「トニーノの歌う魔法」は、呪文作りを生業とする二つの名門が反発しあうイタリアの小国が舞台で、両家が魔法合戦を繰り広げて手に負えない状況に。
両家の魔法の力が弱まっていることを知ったクレストマンシーは忠告をしますが、全く耳を貸しません。そうこうするうちにモンターナ家のトニーノとペトロッキ家のアンジェリカが消えて…というもの。
「魔法使いはだれだ」は、寄宿学校が舞台。魔法を使うことは禁じられているのに、「このクラスに魔法使いがいる」というメモが見つかって大騒ぎに。生徒たちが「クレストマンシー!」と叫んだら…
「クリストファーの魔法の旅」は、上の3冊時代のクレストマンシーが、子供の頃の話です。少年クリストファーは「あいだんとこ」を通じて他の世界へ行ける能力をもっていましたが、自分ではそれが特別なことだとは気づいていません。
それを知った伯父のラルフは「あいだんとこ」にタクロイという男を送り込み…
「魔法がいっぱい」は外伝で、トニーノとキャットが一緒になる話など、5つの短編が収められています。
読む順序はどれからでも構いませんが、「魔法がいっぱい」は「トニーノの歌う魔法」と「魔女と暮らせば」を読んだあとの方が楽しめるでしょう。
上の説明はごくごく簡素です。あまり参考になさらないよう^^;
私は特に「クリストファーの魔法の旅」が好きです。タクロイと第11世界、女神ミリー。次から次へと面白さが舞い込んできますよ。